第6回山口国際交流芸術祭
2008ヨーロッパ芸術祭「情熱と浪漫」
Event1. 西洋音楽発祥の地山口 スペイン音楽特集コンサート
Event2. サビエル時代からバロック時代にかけてのヨーロッパ古楽器コンサート
Event3. スペイン映画の上映「ライブ・フレッシュ」「海を飛ぶ夢」
Event 1.
西洋音楽発祥の地山口~スペイン特集コンサート~
2008年7月13日16時より、山口市のサビエル記念聖堂にて山口国際交流芸術祭の1つめのイベント、「西洋音楽発祥の地山口~スペイン特集コンサート~」が開催されました。今年も会場を埋め尽くすほどの多くのお客様を迎え、成功裡にコンサートを終えることができました。ご来場いただきましたお客様に心より御礼を申し上げるとともに、出演者の方々、教会関係の方々、さらに運営に携わったスタッフの皆さんにも、心からの労いと御礼を申し上げます。
終了後に、コーラスとオーケストラの指揮をされた清水宏之さんにお言葉をいただきましたので、以下にご紹介します。(―斜線が問い、その後が清水さんのコメント)
―演奏会を終えての感想を
いやー本当にね、たくさんのお客さんがいらしていただいて、まずそれが一番うれしいですね。もう超満員でしたから。それから僕が芸術祭に関わりだしてから初めてですけど、天気よかったですねー。晴れました。初めてです。本当ひどい天気なんて事もありましたから。
―警報が出た時もありましたからね
ありましたね。県大の時も大変でしたからね。それを思うと今年は本当に天候にも恵まれお客様にも恵まれて、すばらしかったですね。
―中身のほうですが、コーラスの指揮をされました。合唱団の皆さんは如何でしたか?
皆さんがそうではないけど、まず年配の方が多いので、スペイン民謡メドレーはやっぱり懐かしい曲だという事で共感はあったでしょうね。皆さんお好きな曲だったみたいですし、逆に僕の世代だとマルセリーノとか、曲を知らなかったですからね。そういう意味では、歌ってらっしゃる方のほうが、僕よりもよっぽどよく歌をご存じだったと思います。まあそれで楽しかったですけれど。
―歌い手が心を曲に乗せられるという意味では今回の選曲は
50年前くらいの曲だったかと思いますけど、良い企画だったと思いますね。
―オーケストラですが、くるみ割り人形から、トレパック、花のワルツの山口大オケの今年の出来はいかがでしたか?
そうですね、季節的にはちょっと真夏にくるみ割りはどうかな、と言うのはありましたけど、正直言ってこの曲が選ばれたのは、山大オケの持ちネタだったそうです。5月の定期演奏会で山大オケが演奏したのをそのまま持ってきたわけですが、違う指揮者で、全く違うこういう場所、違う形でやるのも面白いかなと思ってやりました。僕としては、正直山大オケがよく知ってる曲で、持ちネタだったので、仕事は楽だったですね。まったく新しい曲をやるよりは、演奏も良かったですし、僕も楽しかったです。
―今回の目玉といいますか、昨年はレクイエムということで死者の魂を弔うというイメージだったんですけど、うってかわってヘンデルのメサイアということで、コントラストがあって印象深かったですが、この点は如何ですか?
去年はレクイエムをやりまして、これは完全にカトリックの音楽ですし、ラテン語で歌いますので、本当に、言ってみればこういう場所でこそふさわしいというプログラムだったと思います。レクイエムはたくさんありますけど、フォーレの曲はとっても素晴らしいと思うし、そんなに大きなオーケストラも必要ないですし、こういった場所、教会でやるには一番向いた曲だと思って、それは素晴らしかった事です。今年はまずそのカトリックの教会の中でプロテスタントの曲を演奏するという事が一つの試みとして、実際に許される事なのかどうかが、僕は最初の頃は解りませんでした。企画としてお話したら、いやもう問題なくやれますよ、と教会の関係者の方々に言っていただいて、本当に良かったですね。宗派を超えてキリスト教音楽の去年のレクイエムから見れば対極の位置にあるものかもしれないけれど、こういう形でキリスト教の音楽を今年もやれたというか、盛り上がりも良かったですしね。
―去年もそうでしたけれども、パイプオルガンが入ってくることで曲全体の聴いている側の印象も違ってきますよね。
そうですよね。レクイエムもそうですけど、やっぱりパイプオルガンがないとこういう宗教曲は始まりませんので、なかなか地方のコンサートホールでは載せられないプログラムです。欧米だとこういう曲やるのはまず教会とか、カテドラルって事になりますけど、なかなか日本ではそういう場所で演奏会は難しいですから、それを考えると山口は恵まれてますね。このサビエル記念聖堂があって、立派なパイプオルガンが有るのはすごく重要ですよね。色々と舞台の、舞台っていいったら叱られるんだけど、祭壇の上にミュージシャン乗せるのは、正直教会関係者の方々からしたら抵抗あることなのかなーとも思ったけども、快くこういう企画を通していただいて本当ありがたかったですね。やって良かったと思っています。
―来年はフィンランドかなという話もありますが。
そうですね、そんな話も出ていますので、またすぐ来年に向けて企画はスタートさせないといけないので、またコーラスとオーケストラのコラボが、まだこれからですけど一つの選択肢としてフィンランド、北欧物っていうのも考えていきたいですね。
―それでは今日、さびエル記念聖堂に来られたお客様と、来年来られるであろう山口の方々へ向けてメッセージをお願いします。
もう僕はこれで4回ですよね、山口国際交流芸術祭自体は今年で6回、来年は7回ですから、7回続いたらもう10回、20回も視野に入れて、継続は力なりという言葉もありますけれど、やっぱりここまで来たらもう未来永劫続けていかないといけない、山口の恒例行事にしていきたいと思います。そういう意味では、一方通行ではなくてお客さまの方からもこういう企画はどうだろうかとか、色々皆さんからのフィードバックというのも参考にさせていただきたいと思います。来年の企画もそろそろもうスタートして頑張らなければいけませんが、それ以降のことも踏まえてこういう事を将来やって欲しい事があったら、是非御客様の皆さんからもお声を聞かせていただきたいなと思います。
―今日はありがとうございました。
どうもありがとうございました。
Event 2.
サビエル時代からバロック時代にかけてのヨーロッパ古楽器コンサート
2008年8月23日20時より、山口市の旧県会議事堂(国指定重要文化財)にて山口国際交流芸術祭の2つめのイベント、「サビエル時代からバロック時代にかけてのヨーロッパ古楽器コンサート」が開催されました。昨年はイベント1の1部で演奏されたコンセール・アマビリテの皆さんによる演奏です。今年は、おいでませ山口デスティネーションキャンペーンに併せて催されている「大正レトロスイートスウィング」に加わっての開催となりました。
会場はかつての議場が用いられ、古楽器アンサンブルにはちょうど良い規模でした。ソプラノ、チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、ヴィエラ、テオルボ、これらの調和はどれも美しく、聴く者を魅了する音色が会場内に響き渡りました。
Event 3.
スペイン映画の上映